2006年 10月 15日

剃…




およそ2年ぶりにアゴヒゲを剃り落とした。
べつに心境の変化も環境の変化もないのだが、朝ヒゲを剃っているときに「ちょっと剃ってみようか」と思い立ち、そのまま剃ってしまったといったところ。
ツルツルの自分のアゴに2年ぶりに再会したわけだが、これまであったものがきれいさっぱりなくなってしまうと、なんとなく物足りなく、落ち着かない気持ちになる。

しかし。
その日、誰も「お、ヒゲ剃ったね」と言ってくれなかった。
女の子が「髪切ったのに何で気づかないのよ!」と不機嫌になる気持ちが分かる。
微妙な屈辱感を感じながら「おれ、ヒゲ剃ってみたんだけど…」というと、ようやく事務所のみんなが「あ、ホントだ」と反応。
そこまではいい。まあ、気づいてほしかったことを考えるとよくはないのだが、まあいいや。
でも、その後がよくないのだ。

「なんだ、全然そっちのほうがいいよ」
「ずっと若く見える」
「もう伸ばさないほうがいいって」

…はあ、そうですか。

これまでの2年間はいったいなんだったのだろうと、しばし呆然とした日の午後。春風は軽やかに吹きすぎてゆく。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-10-15 01:53 | Dias en Bs.As.
2006年 09月 21日

ままかり




アルゼンチンまではるばる地球を半周して届いた贈り物。
僕の誕生日を忘れずにいてくれた先輩ボランティア(すでに帰国)が、彼女の地元の名物を航空便で送ってくれた。

アルゼンチンに来てからようやく僕はその真価を知った。
その名は「ままかり」。
日本にいるときはほとんど興味なかったのだが、この先輩が今年初めにアルゼンチンを再訪した時に日本から持って来てくれたおつまみ煮干しにヤラレてしまった。
どうやら僕が煮干しとかスルメとかに飢えているのを覚えていてくれたらしい。

このままかり、ニシン科のサッパという魚の瀬戸内海沿岸での呼び方。
名前は酒盗やめしどろぼう漬と同様「ごはんが足りなくなってしまい、隣家からごはんを借りに行くくらいおいしい」というその味わいに由来しているそうだ。

ブエノスアイレスは幸い気温が上がってきており、冷たいビールを飲むには最高の季節が近づいてきている。
ままかりをビールのアテに…と考えるだけで、どこにいてもひとり笑いが漏れてしまうのである。
うひひひひ…。

嫌なことがあれば、嬉しいことがあるのも人生。
そう思わせてくれた先輩ボランティアに感謝である。

どうせ飲むならうまい酒。
どうせ酔うなら気分よく。



※画像は後日アップ予定
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# by luz_esperanza_777 | 2006-09-21 05:25
2006年 09月 20日

カルチャーショック



あほらしいとは思うのだが、帰国まで4ヶ月もないというのに改めてカルチャーショックにやられている。
ま、実際のところカルチャーショックというほど大袈裟ではない。

  「まったくよぉ…」

とため息をつきながら飲む晩酌がヤケ酒気味になり、つい飲みすぎるであろう程度のショックである。


さしさわりがあるといけないので詳しくは書かないが、考え方の違いというべきか、物事のやり方、進め方の違いというべきか、そういうものの違いで非常にイライラすることが非常に多い。

「アルゼンチンは好きだが、アルゼンチンの会社で働くことを想像すると身の毛がよだつ」
といったところ。

まだまだ南米初心者なんだなあとつくづく思い、自分の中にひそんでいたニッポン人らしさに気づく今日このごろである。

さあ、はよう帰ってビールでも飲もう。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-09-20 07:41 | Dias en Bs.As.
2006年 09月 16日

春の休日




日曜日、ぽかぽかと、冬に冷え切った身体の中までゆっくり暖めてくれるような陽射し。
こんなのどかな日をアパートで過ごすなんて、もったいない。
カメラをデイパックに詰めて、ラプラタ川そばの公園へ出かけてみる。

遊歩道とベンチがあるだけの公園だが、東京近郊の雑木林のように、木々の間から大都会の高層ビルが見える。
寒い日が続いたあとだったので、マテのセットを持って日光浴にきた人で大賑わい。
自動車やバイクの乗り入れが禁止されているので、サイクリストも多い。
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広大な公園は自然保護地域にもなっていて、野鳥がたくさんいる。
アルゼンチンの動植物の名前も生態も知らないので、こうして何も知らずに眺めているだけでは何か損している気持ちになる。

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ラプラタ川を臨む河原に出てみる。
大都会に生まれ育ったブエノスアイレスっ子は、この茫々とした水面のむこうに何を想うのだろう。
この街がハカランダの青に染まる春は、もうそこまで来ている。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-09-16 08:29 | Dias en Bs.As.
2006年 09月 16日

水槽内の異変




ふと気がつくと、黒出目金の藤兵衛の左胸ビレがない。
そういえば花奴の尾ビレも形がおかしい。
…………こりゃ、ひょっとすると。

こんなとき頼りになるのは『家庭の医学』ではなくてインターネット。
どうやら細菌性の尾ぐされ病というのが該当しそうだ。
治療には塩水浴がいいらしい。
さっそくバケツいっぱいの5%食塩水を作り、金魚どもを隔離。
ひとり暮らしになったホセは、水槽内で悠々と気ままな生活を楽しんでいるようだ。


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緑色のバケツの中を泳ぐ金魚。
久しぶりに、マジッド・マジディの映画が見たくなった。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-09-16 08:11 | Dias en Bs.As.
2006年 09月 06日

日舞



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同期ボランティアが活動する団体の日本舞踊発表会。
撮影を頼まれたので、カメラを担いで会場となる沖縄県人連合会へ。
日本舞踊を指導するシニアボランティアが中心となり、40に及ぶ演目が上演された。
客席も満席となり、立ち見が出るほどの盛況ぶり。
出演に裏方にと駆け回るボランティアを見ていると、「ああ、仕事してるなあ」とつくづく羨ましくなる。

アルゼンチン各地の日舞グループのほか、ブエノスアイレス周辺のボランティアのほとんどが出演。
極めつけはIさんの女装と、ボランティアや知人4人による「夢芝居」。
穏やかな顔とボウズ頭のせいで「仏教会の方ですか?」としばしば訊かれるIさんは、カツラをかぶってなよやかに舞う。
そのなりきりぶりに、客席は大喜びである。
「夢舞台」はその日一番の大仕掛け。
最後には取材団体の旗まで出てきて、これもまた大ウケ。
トリは当日の立役者、シニアボランティアのFさん。
その踊りは素人目にもさすがである。
カメラを構えていて、絵になるというのがその証拠。

当日の撮影はスチールの僕のほかにビデオ撮影の業者が入っていたほか、自主的に撮影にきたというカメラマンが2人。
しっかし、みんな動かねえ。
ビデオは三脚に据えたまんまで、客席後部から回しっぱなし。
プロとかいうカメラマン2人はズームレンズとストロボつけたカメラで2階回廊からステージを撮っていたが、これもまた動かない。
僕は舞台撮影の専門家でもなんでもないので何ともいえないが、そんなもんですか。
終了後に「あの人たち、プロですって」と知り合いが教えてくれたが、そんな“プロ”と話す気も話題もないのでさっさと退散。
帰り道、「あのプロとかいうカメラマンたちに撮影したもんを見せてもらえばよかったかな」とちらりと思う。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-09-06 03:41 | Dias en Bs.As.
2006年 08月 27日

イモリのホセ





日本人にとって金魚はあまりにも普通。
特に書くべきこともないので、イモリのホセをちょっとご紹介する。
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和名:イベリアトゲイモリ
スペイン語名:Triton Gallipato
学名:Pleurodeles waltl
生息地:イベリア半島から北アフリカ
全長:15~20cm。30cmを超えることもありイモリ科最大種

特徴
このイモリの名前の由来は、外敵に強く掴まれると肋骨の先端が自らの皮膚を突き破って相手を突き刺し、自己防衛する能力からきている。
胴に比べて頭は小さく扁平で、目は黒目がち(というか白目あるのか?)で小さい。
やや緑がかった灰褐色の体に黒い斑点が入っており、肋骨が飛び出る部分にはオレンジ色の点が並んでいる。

生態
主に水草が生い茂った流れの緩やかな河川や湖沼、池に生息しており、水中で水生昆虫やミミズ、小型の両生類やその幼体などを食べる。

繁殖
特に決まった繁殖期はないが、オスは繁殖期に入るとメスを抱きかかえる求愛行動をとるため前肢が発達する。繁殖形態は卵生で水草などに200個以上の卵を1個ずつ産みつける。

飼育
陸地を必要とせず、水温の変化にも強い。肉食だが冷凍アカムシ、乾燥イトミミズから人工飼料、はては刺身、肉、レバーに至るまで何にでも貪欲に喰らいつくらしい。
「据え膳食わぬは…」的なえり好みしない食性についても親近感を覚える。
非常に飼いやすいためペットとしてはかなり普及している種であり、人工繁殖がたやすいせいで珍しくも何ともないようで、ペットショップでは売れ残ることもままあるとか。
南米ではあちこち探し回ってようやく入手したのに、日本では大してありがたがられていないようだ。
そんな話を聞くと同情とともにさらなる親近感が湧くのだ。

ホセについて
当たり前だが、最初にペットショップで見たときは「Triton Gallipato」とスペイン語でしか名前が書かれていなかった。
スペイン語のサイトには詳しい飼育方法などを掲載したものがなく、両生類の飼育に関して驚くべき量の情報を詰め込んだ日本語の各サイトをひたすらさまよって、その外見を手がかりに「イベリアトゲイモリ」という名前にたどりついた。
十分情報収集をしたうえで、ブエノスアイレスのコルドバ大通りに面した某ペットショップにて18ペソ(約700円)で購入。

現段階でのホセの体調は20cm弱といったところ。
成体になってからどれくらい成長するかは分からないが、個人的な希望としては30cm級のイモリなんて要らないので、20cmそこそこで長生きして欲しいものだ。
尾がかなり長く、体調の半分近くは尻尾である。
オスらしく、排泄孔周辺は少し膨らんでいる。
実はほかのペットショップでもこのイベリアトゲイモリを販売していて、そっちは体色ももっと緑色が強くキレイだったのだが、全長5cmくらいなのに20ペソとホセより高価だったためホセを選んだ。
金魚との混泳についても、5cmの大きさは不安があった。
ホセの体色は緑がかった暗灰褐色に黒っぽい斑点が無数に散っている。
緑色がもっと強ければ、ホウレンソウの胡麻和えといったところ。
胴の側面にあるオレンジ色の点はそれほど鮮やかではなく、色はいたって地味である。
流木は灰汁抜き作業中なので、今の段階で水槽には砂利とアナカリス、投げ込み型のフィルターがセットしてある。
ホセはアナカリスにしがみついたり、フィルターの電源コードに身体をもたれかからせたりしながら水槽の中を上下に泳いでいる。

ホセと移民
ご存じ、アルゼンチンはスペインの植民地を経て独立した。
現人口の9割がヨーロッパ移民であり、その多くはスペインやイタリアからの移住者だ。
スペインがあるイベリア半島原産、人工繁殖によりアルゼンチンで生まれたホセは典型的なアルゼンチン人(アルゼンチンイモリ?)といえるだろう。
そういったわけで、同時購入の金魚2匹には日本の名前を付けたが、このイモリの名前はやはりスペイン語しかないのだ。

時代はイモリ
このページを見ているあなたは「イモリなんてキモチワルイ!」とおっしゃるかもしれない。
しかし、そのユーモラスな動きを見ていると「キモカワイイ!」という言葉がピッタリ当てはまる。
今日本で流行っているらしいお笑いコンビ「ア●ジャッシュ」「アンガー●ズ」なんかより、よっぽどキモカワイイのだ。
はじめは「ええ~、イモリなんてキモチワルイ…」と言っていた彼女も、僕の段階的な懐柔作戦によってついに陥落し、ペットショップの水槽の前に立ったころには「Re lindo!」(チョーかわいい!)と連発するところまでイッてしまった。
その後「正直言って、イモリなんか絶対嫌がると思ってたよ」と僕が言うと、「確かに気持ち悪いけど、ユニークでかわいいじゃない」とのこと。
加えて鳴かない、匂わない、餌は3日に1回の人工飼料でOK、水替えは週1回で十分。
何ならフィルターなんてなくても、水槽と水さえあれば飼えてしまう。
夜行性なので、昼間は家にいない現代人も、帰宅後に戯れることができる。
時代はまさにイモリなのだ。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-08-27 05:29 | Dias en Bs.As.
2006年 08月 26日

アルゼンチンで金魚!? その3




何を飼うか。
これは難題である。

魚類か両生類か。
魚類の場合、海水魚は設備と手間を考えると無理である。
熱帯魚も温度管理がシビアになるので今の情況では難しい。
手抜きして飼えるもの。
ほんとうはアルゼンチンの野生の魚を採集して飼いたいのだが、あいにくここは大都会ブエノスアイレス。
ラプラタ川でならなにか採集できそうだが、採集のための道具を買ったら高くつくことになる。
ということで、魚ならヒーターなしで飼えるもの。
ペットショップで売られているそのテの魚は、なんとも日本的な金魚と錦鯉のみだった。ははは。
ここはアルゼンチンですぞ。

さて、両生類ならカエルか、イモリかといったところ。
カエルは初心者向きのベルツノガエルなんかが結構売られている。
イモリはおなじみウーパールーパーのほか各種売られているが、僕が密かに欲しいと思っていた陸棲のタイガーサラマンダーは売っていない。
そんな僕の目を引いたのはTriton Gallipato(和名:イベリアトゲイモリ)。
値段も安いし、丈夫で温度変化にも比較的強い。
さてさて…。

なんとなく買う動物の目星がついたところで、まずは水槽選びから。
両生類を飼うにはもってこいの、金網のフタつきの爬虫類用水槽(39×28×26cm)が売っていたのでそれを購入。
それから、アナカリスと流木も。
この時点で魚か水棲イモリのセンが決定した。
仕事を終えて自宅に帰り、水槽を洗って早速セットアップ。
ところが…さすが街のガラス屋のおっちゃんが作りました的水槽である。
底面の角から水が漏れる。
げんなりしつつ、翌日交換。
ペットショップの兄ちゃん曰く「こりゃ水を入れるためには作ってないからね」。
おいおい、爬虫類だってヌマガメなんかは水が要るじゃろうが…。
同じサイズがなかったので今度はフタなしのもう少し小さい水槽を選び、差額はほかの物品購入にまわす。
別途購入しておいた水中投げ込み型のフィルターと砂利もセットして、稼動開始。
あとは水の状態が落ち着くのを待って、中身を迎えるのみである。
これまで観葉植物しかなかったリビングに、ピチャピチャというかすかな水音が響く。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-08-26 08:15 | Dias en Bs.As.
2006年 08月 26日

アルゼンチンで金魚!? その1




この季節、ニッポンでは夏祭りの金魚すくいですくってきた(あるいはすくえずにもらってきた)金魚を飼いはじめた家庭がかなりあるのではないだろうか。
長いヒレをゆらゆらと動かして泳ぐ金魚は、夏の暑さをしばしの間やわらげてくれる一服の清涼剤である(←こんな書き出し誰も期待してネエよな)。

ええと…ここブエノスアイレスは真冬だが、それでも金魚の話をちょっとご紹介する。
このところ、わけあってブエノスアイレスのペットショップ、特に観賞魚に強い店をあちこち見て回っていた。
ここアルゼンチンの観賞魚の主流は淡水の熱帯魚。
売られている種類もほとんど日本と同じである。
日本で売られていない種はほとんどないが、日本にあってアルゼンチンにはない種はかなり多い。
水槽や濾過器などの周辺機器も、日本で売られているものに比べると格段に質が落ちる。
Tetraなど世界的メーカーの商品などはもちろん売られているが、いかにも「街のガラス屋さんテキトーに作りました」的なシンプルな(というかショボイ)水槽も売られていて、非常にほほえましい。
こんなところでも、二国間の経済格差を感じる。

さてさて、熱帯魚に次いで人気がある淡水魚は金魚である。
見た目もきれいで飼育もそれほど難しくない金魚は結構ポピュラーで、日本人が経営するクリーニング店の店先で泳いでいたりする。
ペットショップの「Agua Fria」(冷水)の表示がある水槽には必ずといっていいほど金魚が泳いでいる。
琉金、コメット、丹頂、ランチュウ、水泡眼など、種類もなかなか豊富。
地味なせいで売れないのだろうか、和金は見かけない。
値段は日本と同様品種と大きさによって1ドルくらいから20~30ドルまでさまざまだ。

蒸し暑い熱帯魚売り場でゆらゆら泳ぐ金魚を見ていたら、靴を雪駄に履き替えてジョッキのビールを飲みたくなってしまった。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-08-26 07:12 | Dias en Bs.As.
2006年 08月 23日

70センターボのコンサート





日曜日。
ベルグラーノ地区にあるバリオ・チーノ(中華街)まで買い物に出かけた。
僕の自宅の最寄の地下鉄はB線。
この路線は車内でのさまざまなパフォーマンスが多いことで有名。この日はタンゴを弾くトリオに遭遇した。

バイオリンを弾く男性に「Puedo sacar unas fotos?」(ちょっと写真を撮ってもいいかな?)
と尋ねると、快くOKしてくれた。
「El Choclo」「Libertango」といったタンゴの名曲を実に楽しそうに弾く彼らをパチリ、パチリと撮っているうちに、乗り換えの駅を通り過ぎてしまい、仕方なく終点までトリオにお付き合い。

地下鉄車内でもバンドネオンやバイオリン奏者は時々見かけるが、コントラバスまで持ち込むトリオはそういないので、ほかの乗客も嬉しそうに演奏に耳を傾けている。
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70センターボの乗車賃だけでこんなに楽しめる、Subte Linea B。
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# by luz_esperanza_777 | 2006-08-23 05:25 | Dias en Bs.As.